今日、近くに強豪少年サッカーチームがあり、
そこで指導している代表コーチが大学時代の先輩だということで
ご挨拶に行った。
その近くで、高校選手権の予選が行われているということもあり
試合を観に行った。
湘南工科vs東
結果は、4-1で横浜東が勝利。
パルピOBが多く在籍する湘南工科を応援したが、
残念の結果だった。勝負だから、こればかりはしょうがない。
その中で、思うことがあったので 書いてみる。
湘南工科の主将を務める パルピOBの光は
今日、試合に出場しなかった。
東の得点源は、長身のFW10番。
セットプレーからヘディングで競り勝ち、ともに得点を生んだ。
0-2のビハインドとなった時に、DFを高さのある光に代えるかな?
と思ったが、ベンチは、中盤3人を交代させた。
しかし、なかなか思うように機能せず、またまた
セットプレーから東の10番がヘディングで得点。
0-3となり、いよいよ湘南工科もパワープレーに転じる。
湘南工科のFW18番の選手が非常にパワフルで縦に突き進む
迫力があったので、パワープレーをするなら、競り合いのできる
光をFWに起用して、競った後のルーズボールを狙いにいくかな?
と思ったが、ベンチから出てきた交代枠最後の選手は23番。
その後、1点を返したが、カウンターから失点をして1-4と苦しくなった。
交代枠は4枚なので、試合に出場する可能性のなくなったベンチの
選手達はゴール裏で味方シュートがはずしたボールを早く展開さえる
べくゴール裏に移動してボール拾いに走る。
しかし、無情にも結果は1-4で終了。
ピッチに崩れる湘南工科の選手達。
光はゴール裏で茫然と立ちすくむ。
きっと、試合に負けたことももちろんだが、
まずは、最後の試合に出場できなかった悔しさが込み上げ
複雑な心境だったと思う。
後悔と悔しさと納得できない気持ちが 交互に込み上げ、
自分の気持ちの整理をするのが辛かったと思う。
もちろん、勝負の世界だから、実力であり、監督の采配であり
しょうがない。誰もが勝つために全力を尽くした結果なので
納得しなければならないが、納得できない自分との気持ちに
複雑な思いがしたに違いない。
試合が終わり、時間が経つにつれ、より複雑な心境と悔しさが
込み上げてくるものだ。
夜、電話をもらった。
内容は、もちろん書けないが、
アスリートの会話をさせてもらった。
でも一つ言えることは、この経験が
彼を一回り成長させるということ。
彼が、本物のアスリートでなければ、終わってしまうかもしれない。
でも、この高校3年間で素晴らしいアスリートに成長したということ、
さらに、可能性を感じる成長過程の選手であるということから
次の大学サッカーのステージで飛躍してくれることに期待したい。
僕は今日の彼の気持ちが すごくよく解かる。
僕も、高校3年生の最後の選手権決勝。
清水商業vs清水東 の試合で
前の試合まで出場していたけど、決勝戦は試合に出ていない。
絶対に全国に行きたかったし、最後にかける思いが強かったので
とにかく悔しくて、チームに貢献するとか応援するとかという
気持ちに素直になれなかったのを覚えている。
(もちろん、チームのために・・と 気持ちを整理しようとしたが。。)
試合が始まって、開始5分、
監督から「アップしろ!」と言われて
出場したら絶対に点に絡んでやる!
俺だったら、こうやってプレーする!などと
イメージしながら気持ちを盛り上げていた。
でも、時間が経って 交代で出場する選手は後輩だった。
さすがに、その瞬間は監督を恨んだね。
でも、諦めずにアップを続ける。
延長戦になり、山田隆裕に点を決められ 1-2となった時に
ベンチに戻りアップをやめた。
試合終了のホイッスルが鳴り、複雑な思いでピッチを
ながめていた。
しかし、相手の何人かの選手がベンチに挨拶に来た時
「クリさんの分まで頑張ってくるからね」とか
「試合で対戦できるの楽しみにしていたのに。残念だけど
栗田の分まで頑張ってくるよ」とかという言葉を聞いた時
どっと涙があふれてきた。そして、ふっと我に返った。
そして、味方の選手達が頑張ったこと、
一緒に全国を目指して汗を流してきた選手達と
もうプレーができなくなる寂しさ、チームが試合に負けた
悔しさがこみあげてきた。
大学サッカーに進み、全国から僕より上手な選手が集まり
その中でもやれたことは、やはり高校の時の失敗と挫折が
あったからかもしれない。
すごく冷静にサッカーに打ち込めたし、自分を冷静に
見ることが出来た。
おかげで、2年から総理大臣杯のメンバーやベンチにも入れたし、
3年ではリーグ戦にも出場することがが出きた。
4年の春先には総理大臣杯にレギュラーで出場するに至った。
4年の秋のリーグ戦は試合に出れなかったけどね。
長くなったけど、若い時は、とにかく挑戦して欲しい。
失敗と挫折は、その時は苦しいけど、必ず自分にかえってくる。
相手を思いやる気持ち、相手の立場などを感じることができる。
パルピターレを立ちあげた時も、サッカーの技術はもちろんだけど、
根底には、人間として大きく成長して欲しいという思いがあり、
サッカーは、その人間力を引き出すことができると思ったからだ。
だから、挑戦する選手は、どんどん応援するし、全力でサポートする。
ネガティブにとらえてしまうタイプには、前向きに進める方法と
気持ちの持ち方を伝える。
パルピターレの精神はそこにある。
僕も失敗は数知れない。
でも、前述の高校3年時の選手権決勝での出来事は
僕自身の気持ちに大きな影響を与えたことは間違いない。
今日の湘南工科の敗戦、光の様子を見て 同じ境遇からか
彼の将来がまた楽しみになってきた。
夜の電話で、
「色々と応援して頂きありがとうございます」 と言葉をもらった。
負けた夜、なかなか昔の指導者に、電話して、
そんな言葉 言えないよ。たいしたもんだよ。
そして、
「春までパルピに行ってもいいですか?」と。
「もちろん 来いよ」
「お前自身の成長のために。そして、後輩に勇気を与えてよ」
「はい、ありがとうございます。是非、行きます」
聖地 弥生台で会えるのが、すごく楽しみだ。
思わず、電話を切った後、
竜平にも 「お前も来いよ」 と電話してしまった。
「ありがとうございます。行きます。」と竜平。
パルピターレとは、そんなチームです。
みんな、明るく勇気を持って全力を尽くせ!
そして、失敗したり挫折したら おおいに悩んで結構。
人間は絶対に解決し、次に進む力を持っている。
もし、そこで悩んだら、いつでも元気をつけてやる!
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